武芸 和結道での昇級昇段制度について、少し私の考えを述べさせて頂きます。
和結道で最も重要な修行課題となるのが初伝の根幹行となり、ここで先制防御の考え方を通じて、自他護身の理念と技術を学びます。
その体系は広大で深遠な物であり、易から難へと段階を踏んで学びを進めて行く必要があります。
和結道には初伝(自他護身)から始まり、中伝(自己護身)、奥伝(他者護身)、皆伝へと教授階梯が続きますが、入門者から初級者、中級者、そして上級者とそのいずれのレベルの者も終生取り組み続けて行くべき課題が根幹行となります。
それ故、修行の土台を作る為の期間を設け、段階的に学習を進めて行く事が出来る様教程を整理制定し、又修行者自身がその進捗や課題を理解出来る様に、六段階の級位を制定しております。
また六級~壱級に至るまでの各段階で、それぞれの時期の課題を大切に、修行に励んで頂きたいとのも想いから、それぞれの段階で「習士」などの称号を制定し付与しております。
例としては「入門六級」や「習士伍級」の様な呼称となります。更に各段階に応じて色帯も授与しております(併せて認定証も発行しております)。
この土台を作る期間は、標準として三年間を考えております。
その後最終的に、昇段審査を経て正修士初段を目指します。
修士とは初伝の内容について、一通りの体系の理解と最低限の求められる技術を体現出来る技能を有している事を示す称号となります。
ですので正修士初段からが、本当の武之行のスタートであると考えて頂ければと思います。
車の運転で言えば、教習所で運転に必要な知識や基本操作を学び、公道で走る事の出来るレベルになる為の力を培う事と似ているかと思います。
その後は、修行年数やその他の要件により、希望される方には弐段以降の審査を実施し、一定の基準に達していれば相応の段位を授与する事となります。
段位については、和結庵に属し、継続して地道に武之行の修行に取り組み続けて行く姿勢などが最も大事であると考えている事から、単純な「強い、弱い」や「上手い、下手」の比較で評価はしておらず、あくまでも大きな指針に沿って、各個人それぞれを観ると言う考えに立脚して行っております。そもそも和結庵は武之行を通じた個人の課題に合わせた修行の場である事から、他者比較による評価は必要ないと考えております。
それに対して、和結道の全体系について学びを深めて行きたいと願い、更に高いレベルの不動力を培いたいと希望される方については、本人の希望と当方の見立てが一致し、認められれば、中伝(自己護身)以降の学びの場に参加する事が可能です。
また中伝(自己護身)以降の修行者につきましては、審査を経て一定のレベルに達していると認められれば、その段位や不動力に応じた称号を允可致します。