和結道の技術体系

和結道は、日本の伝統武術の心身に関する知見と技術を土台として、現代日本の社会情勢や、必要とされる護身に関する技術水準や知識、それに「武」に求められる価値観を勘案し、体系化を試みております。

更に中国武術や気功など他の東洋的心身論の研究成果までも加味すると共に、西洋科学的な視点(物理学・心理学・解剖学・生理学・脳科学その他として教育学や福祉学など)からも技術を検討し、主宰 吉田が創始した令和生まれの武芸となります。

これまで私が実力的には末席とは言え、「武」と言う魅力的な世界に身を置きながらも、常に抱いていた様々な疑問に対して、その回答を自分なりに見出し、その成果をも包摂した内容となっております。

 

その技術体系は、日本の伝統武術の制度に則って、初伝・中伝・奥伝・皆伝の四段階の階梯を設定しております。

和結道では護身の概念として、「絶対護身」と「相対護身」の考え方を基軸に技術体系を構築しています。

そしてこれらの概念に基づき実践に落とし込んだ際に、身戦略として「専守防衛」的な思考ではなく、「積極防衛」の思考を基軸において技術展開を考えております。

更に具体的な戦術にまで落とし込んだ時、初めて「先制防禦」の技術の意味が理解できるかと思います。

 

武芸 和結道は、護身術として三つの視点から技術体系=上達過程を考えております。

それは日本人・日本文化の根底に流れている、自然を敬い寄り添う死生観、そこからあらゆる現象に対して神を見出す日本神道の思想を「大自然の法則」として捉え、その法則を武術的な視点より、「天地人の法則」へと再構築し、三つの視点として、「天=心之位(大周天)」、「地=技之位(中周天)」、「人=体之位(小周天)」と分類しております

そしてそれぞれ、初伝人=体之位(小周天)」、中伝地=技之位」、奥伝天=心之位」として当てはめております。またそれぞれの段階で、初伝の「人=体之位(小周天)」にて武術的な身体の遣い方と力の用い方を段階的に学び(当流儀では「隋心力」として整理分類しております)、中伝の「地=技之位(中周天)」では、更に具体的に「入身技法」と「転封技法」の修練を通じて、間合い・位置取りを始めとして戦略・戦術基づいた対応等についての原則(詳細な教伝内容はここでは割愛致します)を段階的に習得していく事を目指します。

更に奥伝の「天=心之位(大周天)」に至っては、「絶対護身」と「相対護身」の考えに基づき、「統御戦法」の修練を通じて、相対的な局面下において状況に応じた段階毎の対応について学ぶと共に、「天地人の法則」の極意である「心鏡之原理」の自得を目指します。この様に初伝~奥伝迄の各教伝にて、学ぶべき重要な行動原理について明確に基準と課題を設定しております。

 

これは奇を衒った物では無く、様々な角度から考察と検討を重ねた上で必然性と整合性を以て位置付けた物となっております。

 

以下に簡略ではありますが、その説明をしたためさせて頂きます。